フリーランスに向いてない?「仕事が来ませんように」と思った私が、会社員との両立を選んだ理由

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フリーランスになれば、もっと自分に合う働き方ができる。

以前の私は、そう思って開業届を出しました。

屋号を決め、ポートフォリオサイトを作り、サービス内容や料金も考えました。

仕事を受けるためのフォームや公式LINEも用意しました。

形だけを見れば、フリーランスとして仕事を始める準備はできていたと思います。

でも、心の中では「仕事が来ませんように」と思っていました。

仕事をしたくなかったわけではありません。

自分の仕事にお金をもらっていいのか、最後までひとりでやり切れるのか、自信が持てなかったのです。

現在の私は、契約社員として働きながら、ブログを書き、絵本の制作を続けています。

フリーランス一本ではなく、会社の仕事と個人の活動を組み合わせた、「複業」に近い働き方です。

この記事では、私がフリーランスを目指した理由と、実際に開業して気づいたこと、今の働き方を選んだ理由を書いてみます。

目次

会社に向いていない気がして、フリーランスになりたかった

私がフリーランスに興味を持った理由のひとつは、組織で働くことに自信をなくしていたからです。

会社で働いていると、人との距離感や周囲の反応を考えすぎてしまうことがありました。

「私は集団で働くことに向いていないのかな」と思うこともありました。

そんな時期に、職業訓練で一緒だったママが、フリーランスとして仕事をしていると知りました。

詳しい働き方を聞いたわけではありません。

それでも、子育てをしながら個人で仕事をする人が身近にいたことで、「私にもそんな働き方ができるかもしれない」と思いました。

フリーランスという肩書きが、少しかっこよく見えたのも本音です。

誰かに働き方を決めてもらうのではなく、自分で仕事を選び、自分の力で形にしていく。

当時の私には、それが新しい可能性のように感じられました。

デザインの仕事を経験し、個人でもやってみようと思った

職業訓練では、Photoshopのほか、HTMLやCSSなどを学びました。

最初は、未経験からWebデザイナーとして組織で働くことを考えていました。

けれど、育児と両立しながら実績を増やし、ポートフォリオを充実させて採用につなげることには、難しさも感じていました。

その後、運よくWebバナーの制作に関わる仕事に就くことができました。

バナーのデザインだけでなく、依頼内容の整理や制作の進行など、ディレクションにも関わりました。

その仕事が事業終了で終わったあとには、Illustratorを使った販促物の制作も経験しました。

仕事として制作していたのは、次のようなものです。

  • 販促用のPOP
  • ポスターや店頭の立て看板
  • チラシやDM
  • カード類
  • Webバナー

言われたものをそのまま作るだけではありません。

何を一番伝えたいのかを整理し、情報の優先順位を考え、構成を決めてデザインしていました。

制作とディレクションの両方を、自分で担当することも多くありました。

デザインの仕事そのものは好きでした。

相手の希望を聞き、曖昧だったイメージが形になって、喜んでもらえることにやりがいを感じていました。

一方で、当時の私は仕事を自分の中で抱え込みやすく、少し疲れ切っていました。

会社で働くことに自信をなくしていたこともあり、「これまでの経験を使って、今度は個人で仕事をしてみよう」と考えました。

デザインなら、自宅でも続けやすいと思ったことも理由のひとつです。

職業訓練からデザインの仕事へ進んだ経緯は、こちらの記事にまとめています。

開業届を出し、仕事を受ける準備をした

個人で仕事をすると決めてから、私は開業届を出しました。

屋号には、自分なりの意味を込めました。

ポートフォリオサイトを作り、できることや料金をまとめ、問い合わせを受けるための窓口も用意しました。

クラウドソーシングの案件を探したり、知り合いに今の仕事について話したりもしました。

実績を増やすために、モニターとして依頼を受けることも考えていました。

ちなみに、「フリーランス」と「個人事業主」は、まったく同じ意味ではありません。

フリーランスは、特定の組織に雇用されず、個人で仕事を受ける働き方を表す言葉です。

個人事業主は、法人を設立せず、個人で事業を行う税務上の区分です。

開業届を出した私は個人事業主であり、個人で依頼を受けるという意味ではフリーランスでもありました。

ただ、開業届を出したことで、急に仕事を取れるようになるわけではありません。

仕事を受ける準備と、継続して仕事を得るための行動は、別のものでした。

開業届と保育園、失業給付の手続きで私が経験したことは、こちらにまとめています。

小さくても、実際に受けた仕事はあった

大きな案件を継続して受けていたわけではありません。

それでも、個人で相談を受け、提案や制作をした経験はあります。

そのひとつが、SNSを始めたい方から受けた相談でした。

相手の情報や具体的な相談内容は書けませんが、まずは、やりたいことと実際のニーズを整理するところから始めました。

「何を発信したいのか」「誰に届けたいのか」「収益につなげたいのか、趣味として続けたいのか」を一緒に考えました。

そのうえで、サービス名やロゴ、SNS全体のデザイン、投稿用テンプレートを作りました。

Canvaの使い方や、投稿を続けるための手順も資料にまとめて伝えました。

相手が思い描いていることを聞き、現実的にできる形へ整え、見通しを立てる。

この経験から、私は「何かを作ること」だけでなく、相手の話を整理して土台を作ることも好きなのだと気づきました。

営業が大切だと、知らなかったわけではない

「フリーランスになるなら、営業が必要なことくらいわかっていたのでは?」と思う人もいるかもしれません。

私も、営業が必要なことは知っていました。

フリーランスとして働いた人の本やインターネット上の体験談も読みました。

知り合いには、「今はこういう仕事をしているから、必要な人がいたら紹介してね」と伝えました。

実際に人を紹介してもらったこともあります。

けれど、知らない相手へ自分から連絡し、信頼関係がないところから仕事の話を進めることには、強い緊張がありました。

メールを送って返事がなかったときも、もう一度連絡する勇気が持てず、そこで止まってしまいました。

最初から自分に相談してくれた人と話すことは、それほど苦ではありません。

話を聞き、必要なものを整理し、料金を考えることもできました。

難しかったのは、まだ関係ができていない人に、自分の仕事を売り込むことでした。

営業の大切さを知らなかったのではなく、営業を続けられるほど、自分の仕事に自信を持てなかった。

今振り返ると、これが当時の私にいちばん近い表現だと思います。

準備をしたのに、「仕事が来ませんように」と思っていた

問い合わせ窓口を作り、料金を決め、仕事を受けられる形を整えました。

それなのに、問い合わせが来ることを想像すると怖くなりました。

私に最後までできるのかな。

相手が期待するものを作れなかったらどうしよう。

思っていたより時間がかかったら、家事や育児と両立できるのかな。

そんなことを考えているうちに、仕事がほしい気持ちよりも、仕事が来ることへの不安のほうが大きくなっていました。

Wamii

フリーランスになりたかったのに、心のどこかで「仕事が来ませんように」って思ってたんだよね。

仕事が嫌だったんじゃなくて、ひとりで受ける自信が、まだ持てなかったんだね。

私は、仕事そのものが嫌いだったわけではありません。

むしろ、誰かから必要とされ、やることが決まっていると、集中して働ける方だと思います。

ただ、仕事を探すところから納品するところまで、すべて自分で決め、自分ひとりで責任を持つことに疲れてしまいました。

家で働く自由が、私には難しいこともあった

自宅で働けることは、フリーランスの大きな魅力です。

通勤時間がなく、家族の予定にも合わせやすい。

でも、当時の私には、家と仕事の境目が曖昧になる難しさもありました。

家にいると、家事が目に入ります。

テレビやゲームなど、気分転換になるものもすぐそばにあります。

家族が家にいる日には、仕事をしていても生活の方へ意識が戻りやすくなりました。

午前中に家事を終えてから仕事を始めても、何を優先すればいいのか迷っているうちに、あっという間に子どものお迎え時間になります。

働いていないように見えることも気になり、「何か形にしなければ」と焦っていました。

家事や育児に支障が出るほど営業をしていたわけではありません。

むしろ、自分で時間を区切り、仕事を作り、毎日動き続けることがうまくできずに悩んでいました。

自由な環境が合わなかったというより、当時の私は、自由な時間の中に仕事の枠を作る方法がわからなかったのだと思います。

短期の仕事をして、会社で働く気楽さに気づいた

このまま家にいても動けなくなりそうだと思い、私は気分転換も兼ねて派遣会社へ登録しました。

もともと仕事をすることは好きでしたし、働いていない期間が長くなることにも不安がありました。

登録後、すぐに短期の仕事を紹介してもらい、「まずはやってみよう」という気軽な気持ちで働き始めました。

そして初日、職場に着いたときに思いました。

職場にいて、職場にいるだけで仕事をしていることになるんだ。

もちろん、会社なら何もしなくても給料が出る、という意味ではありません。

出勤の記録をしたら、そこからは誰が見ても仕事の時間です。

任された作業をする時間も、次の指示を待つ時間も、確認や準備をする時間も、すべて仕事の中にあります。

家にいたときのように、「今の私は仕事をしているのか、それとも休んでいるのか」と考え続けなくていい。

出勤と退勤によって、仕事の時間と暮らしの時間がはっきり分かれます。

その線引きに、私はとてもほっとしました。

Wamii

職場にいて、職場にいるだけで仕事をしていることになるんだ、って思ったの。

働く時間と暮らしの時間の境目が、はっきり見えたんだね。

派遣とパートの違いや、それぞれの働き方を選ぶときに確認したいことは、こちらの記事にまとめています。

私は、本当にフリーランスに向いていなかったのか

今でも、自分がフリーランスに向いていなかったとは言い切れません。

相手の話を聞き、考えを整理すること。

必要な情報を選び、見通しを立てること。

相手のイメージに合うデザインを考えること。

料金や作業の範囲を決めること。

こうした部分は、今でも自分の得意なことだと思います。

一方で、新しい相手へ自分を売り込むことや、仕事がない時期にも自分ひとりで動き続けることには難しさを感じました。

得意なことがあるからといって、その仕事だけで生活を成り立たせることに向いているとは限りません。

反対に、営業が苦手だからといって、個人で仕事をする力がまったくないわけでもありません。

向き不向きは、能力だけで決まるものではなく、その時の生活や心の状態、働く環境によっても変わる。

私はそう考えるようになりました。

今は、契約社員と個人活動の両方を持っている

現在の私は、契約社員として働いています。

通勤には時間がかかりますが、街中へ働きに行くことも、今は楽しみのひとつです。

仕事へ行けば、その日にやることがあります。

退勤すれば、仕事から離れて家へ帰れます。

収入や仕事の時間にある程度の見通しが立つことも、私には安心につながっています。

その一方で、個人で始めた活動をすべて手放したわけではありません。

ブログを書き、絵本の案を考え、自分で作りたいものを少しずつ形にしています。

もし今後、バナーや小さな販促物など、自分に合う範囲の相談があれば、デザインの経験を生かすこともできます。

デザインの仕事だけで生活を成り立たせることを、今の目標にはしていません。

でも、会社の仕事以外に、自分の経験や好きなことを生かせる場所がある。

その状態が、今の私にはちょうどいいと感じています。

正社員になるか、今の働き方を続けるか考えたときのことは、こちらの記事に書いています。

「フリーランス一本」ではなく、複業という働き方

一般的には、会社員の仕事とは別に収入を得る仕事を「副業」と呼びます。

一方で、複数の仕事や活動を並行して持つ働き方を「複業」と表すこともあります。

副業は、本業とそれ以外の仕事を分けて考える言葉です。

複業は、どれかひとつだけを本当の仕事と決めず、複数の役割や経験を自分の中でつなげていく考え方に近いと思います。

これは制度上の区分ではなく、あくまで私自身の働き方に対する感覚です。

現在、生活と収入の軸になっているのは契約社員の仕事です。

でも、ブログや絵本は、単に空いた時間にするお小遣い稼ぎとも少し違います。

すぐに大きな収入にならなくても、自分の経験を言葉にしたり、作りたいものを形にしたりする、大切な活動です。

会社の仕事、ブログ、絵本、そして、ときどき受けるかもしれないデザインの仕事。

どれかひとつに絞らず、会社に所属する安心感を持ちながら、自分で作る仕事も育てていく。

今の私には、フリーランス一本よりも、この「複業」という形が合っています。

当時の私に伝えるなら、「今は休んでもいい」

開業した頃の私は、早く結果を出さなければいけないと思っていました。

家にいるのだから、時間はあるはず。

せっかくデザインを学び、仕事も経験したのだから、それを形にしなければいけない。

そうやって、自分を急かしていました。

でも、今の私が当時の自分に声をかけるなら、こう言うと思います。

「今はゆっくり休んでいいんだよ。どうせ、働かないといられないんだから」

すぐに仕事へつなげなくても、本を読んだり、やりたいことを探したり、とりあえず何かを試したりすればいい。

短期の仕事をしてみたことも、私にとっては大切な行動でした。

そこで初めて、自分が安心して働ける環境や、必要としていた線引きがわかりました。

思い描いていた形と違う場所へ進むことは、失敗ではありません。

やってみたからこそ、自分に合う形が見えてくることもあります。

まとめ|どちらかひとつに決めなくてもいい

私は、フリーランスとして開業する準備をし、実際に小さな仕事も経験しました。

その中で、自分が得意なことだけでなく、苦手なことや、安心して働ける環境も見えてきました。

私はフリーランスに向いていなかったのではなく、ひとつの働き方だけですべてを成り立たせようとする形が、当時の私には合わなかったのだと思います。

会社で働くことにも、自分で仕事を作ることにも、それぞれ良いところがあります。

どちらかひとつに決めなくてもいい。

会社に所属しながら、自分の活動も続けていく。

今の私は、それを「複業」という働き方として、ゆっくり育てていきたいと思っています。

フリーランスか会社員かで迷っている人にも、どちらか一方だけではない働き方があることを知ってもらえたらうれしいです。

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