私のタイミングで、私らしく。20年越しのコンプレックスを手放して、私が「正社員」をあと回しにした理由。

思わぬところから届いた、嬉しいお誘い
副業で好きなデザインを楽しみつつ、安定したお給料は派遣でしっかり。
そんな「いいとこ取り」な働き方を目指して、今の職場では契約社員予定の紹介予定派遣として働き始めました。
そしたら最初の更新のタイミングで、なんと嬉しいお誘いが。
「あなた次第で、正職員への道もあるよ」
…正直、めちゃくちゃ震えました。
大学卒業してすぐに結婚・出産した私は、内定していた会社を辞退した過去があります。
自分が夜泣きの赤ちゃんと格闘している時、周りの友達はバリバリ仕事・出張・飲み会でキラキラ輝いて見えたこともありました。
そんななかで正職員へのお誘い。
「嬉しい!」という気持ちと同時に、ふっと浮かんだのは子供の顔でした。
20年間、私をチクチク刺していた「トゲ」の正体
「正職員への道」という言葉は、かつての私なら飛びついていた魔法の言葉でした。
私のコンプレックスの根っこには、昔言われた「ある言葉」がありました。
初めて働いた歯科医院のパート先で、ミスをするたびに院長から言われた言葉。
「あなたは社会経験がないからね」
その言葉は、まるで「あなたは社会人として欠陥がある」と宣告されたかのように、私の心に鋭く突き刺さりました。
「あの日内定を辞退したから、私はずっと半人前なんだ……」
そんな意識が消えないまま20年。
どんなに一生懸命働いても、心のどこかでその「トゲ」が残っているような感覚がありました。
だから、以前の私なら、そのトゲを抜きたい一心で、自分の状況なんて二の次にして「やります!」と即答していたはずです。
「一度立ち止まった」からこそ見えた、本当に大切なもの
でも、今の私は違いました。
そう思えるようになったのは、今の仕事に就く前の「療養期間」があったからかもしれません。
一度、無理をするのをやめて、フリーランスとして自分と向き合った時間。
「何が何でも稼がなきゃ」「正社員にならなきゃ」という焦りを手放し、自分の心と体を整えることを最優先に過ごしてみました。
その期間を経て気づいたのは、「世間の正解」に自分を合わせるよりも、「自分のご機嫌」を基準に選ぶほうが、ずっと物事がうまく回るということ。
今の職場は、契約社員であっても正職員に近い待遇をいただける恵まれた環境です。
「今の私に本当に必要なのは、責任の重い肩書き?それとも、家族と笑って過ごせるバランス?」
答えは、すぐに出ました。
娘の涙と、私の決断
正職員の話をいただいたとき、一番に浮かんだのは、かわいい末っ子長女のランドセル姿でした。
生後5ヶ月から通い、親子で大好きだったこども園。
この春そこを卒園し、新しい環境へ飛び込むことに、娘は大きな不安を抱えています。
「小学校、行きたくない……」
毎晩、寝る前に必ず言うんです。
若い頃の私を苦しめた「社会経験」という呪いのような言葉のために、今この子の揺れ動く心に寄り添う時間を、犠牲にしたくない。
今は「ただいま」と余裕を持って抱きしめてあげられる、この心地よいバランスを守りたい。
会社に「来年以降でお願いします」と伝えたとき、不思議と後悔はありませんでした。
むしろ、自分の大切にしたいものを自分の手で守れたことに、清々しい解放感を感じたのです。
おわりに:チャンスは自分で作れるし、選べる
当時は友達が眩しくて、自分だけが取り残されたような気がしていたけれど。
今思えばあの20年も、そして立ち止まった療養期間も、私にとっては大切な「私のタイミング」でした。
チャンスは逃しちゃいけない。
そう思って焦っていた昔の私に、言ってあげたい。
「大丈夫だよ。チャンスは自分で作れるし、自分のタイミングで選んでいいんだよ」
世間の「正解」じゃなく、自分と家族の「心地よいタイミング」を優先する。
力を抜いて、私をご機嫌に保っていれば、チャンスは何度でも訪れる。
私のタイミングで、私らしく。
これからも、そんな毎日を積み重ねていこうと思います。

